城南前(城南担ぎ)

神輿を間に担ぎ手が向かい合わせとなる担ぎ方を城南前という。品川区八ッ山橋から大田区大森の一帯にかけて行われる神輿渡御に多く見られる。担ぎ手はカニ歩きとなり当然進むスピードはゆっくりとなる。お互いの力を誇示するので、神輿は左右に揺れる。かつての漁師町の名残りといわれ、勇壮な荒っぽい神輿で有名である。この城南前で担ぐ神輿の左脇には、大拍子と呼ばれる締太鼓がくくりつけられている。これを二本のバチで打ち、トンビと呼ばれる篠笛を演奏し、この調子に合わせながら神輿を巡行する。この囃子となる音楽のことを「品川拍子」といい、品川神社の神輿担ぎが発祥で荏原神社でも見られ、品川区の無形民族文化財に指定されている。神輿は囃子の曲によって、上げ下げをおこなう。そして、城南前は品川から海沿いの大森地域に影響を与えたものと思われる。よって大森地域では「品川拍子」とは言わず「大拍子」と言う。 発祥の地の品川神社・荏原神社ではこの担ぎ方は当たり前なので、いちいち城南前とか城南担ぎとは言わない。むしろ大森地域の方が城南前という。 この担ぎ方は荒っぽいせいか、肩に神輿ダコできる人が多い。また、城南担ぎはカニ歩きとなるため、より多くの担ぎ手を必要とし、担ぎ手が少ないと神輿が流れてしまう。太田・品川区だけで見られるかつぎ方である。

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